今月の臨床 FGR─Fetal Growth Restriction
娩出のタイミング
頭囲発育の経過を指標として
丸山 有子
1
,
茨 聡
1
1鹿児島市立病院周産期医療センター
pp.1607-1611
発行日 2005年12月10日
Published Date 2005/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100454
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
われわれの施設では,頭囲発育障害と神経学的異常の発生との間の強い相関から,FGR(fetal growth restriction)の産科管理においては,胎児の頭囲発育を重視し,胎児の頭囲発育が停止したと診断されたら,積極的に児を娩出させている.胎児頭囲の発育停止とは,胎児超音波検査にて2週間以上の頭囲発育停止を認め,胎児頭囲が胎児頭囲発育曲線の10パーセンタイル未満となる危険性のある場合としている.ただし,この管理は在胎27週以上に限定して行っている.その理由は,当センターの過去の成績において,在胎27週未満のFGRはそれ以上の症例と比較して格段に予後不良であったため,積極的に子宮外治療を進めることは不適当と考えられたためである.
本稿では,頭囲発育停止を指標とした当センターのFGR管理方針が,その予後にどのように影響しているかについて検討する.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.