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今月の主題 経過観察からみた大腸癌の発育・進展sm癌を中心に
序説
大腸腫瘍の発育進展の考え方―経過例が教えるもの
Introduction
工藤 進英
1
Shinei Kudou
1
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
pp.1069-1072
発行日 2003年7月25日
Published Date 2003/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100786
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大腸腫瘍の謎
大腸腫瘍の発育進展の“謎”を解明せずして大腸の真の診断と治療はありえない.ただ見つかるものを診断するだけではなく何を見つけなければならないか,さらに見つかった病変のどこを見なければならないのか,形態で注目すべきポイントを認識しているかどうか.
1997年に狩谷ら1)が大腸IIc型早期癌を発見して以来,IIc型早期癌を含め多くの表面型癌2)3)が発見されてきた.大腸癌はポリープ,腺腫から発生するというpolyp-cancer sequence,adenoma-carcinoma sequenceは世界のcommon senseである.それに対し本邦においては表面型早期癌,特にIIc型に代表される陥凹型早期癌(IIc,IIc+IIa,IIa+IIc)やNPG(non-polypoid growth)癌が注目されde novo発生4)も同等に支持されてきた.そして本誌「胃と腸」では「表面型大腸癌の発育と経過」(30巻第2号,1995年),「大腸腫瘍の自然史」(31巻第13号,1996年)と経過例を取り上げている.
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