今月の臨床 FGR─Fetal Growth Restriction
概念と最近の動向
金井 雄二
1
,
天野 完
1
,
海野 信也
1
1北里大学医学部産婦人科,北里大学病院総合周産母子医療センター
pp.1557-1561
発行日 2005年12月10日
Published Date 2005/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100445
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はじめに
近年,周産期医学の進歩や超音波断層法の一般臨床への普及により胎児情報がかなり詳細にわかるようになってきた.胎児発育制限(fetal growth restriction : FGR)もその1つで,全出生児のおおよそ4~7%を占め,日常診療において比較的多く遭遇する産科合併症の1つである.また,出生時の体重と周産期死亡率,周産期罹患率および児の長期予後は密接に関係していることが知られている.Manning1)は1,560人のSGA児を対象として出生体重のパーセンタイル値と周産期の死亡率,罹患率の関係を示した.より小さいほどに死亡率,罹患率ともに増加し,特に5パーセンタイル未満であると著明に増加している(図1).FGRの診断,管理は妊婦健診をはじめとする産科臨床の最も重要な項目の1つである.
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