連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・6
腹式単純子宮全摘術後の合併症・尿管腟瘻とその予防対策
越山 雅文
1
1国立病院機構姫路医療センター産婦人科
pp.1518-1521
発行日 2005年11月10日
Published Date 2005/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100438
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症 例
患 者 : 50歳代前半の主婦
既往歴 : 特になし.
経 過 : 患者は,約2週間にわたる持続的不正性器出血を訴えて当科外来を受診した.この際,新生児頭大の子宮腫大が認められ,MRIで子宮筋腫と腺筋症の診断を得た.患者との話し合いにて摘出手術をすることとなった.
入院ののち,腹式単純子宮全摘術・両側付属器摘出術が施行された.手術は腰椎麻酔下に行われ,手術時間30分,出血量40 gときわめて良好なものであった.開腹時,子宮全体が新生児頭大に腫大していること,子宮底部右側寄りに鵞卵大の筋腫と後壁のびまん性肥厚(腺筋症),および頸部の左右への肥厚が確認されたが,周囲との癒着などはなかった.術後,血尿などもなく,翌日には膀胱留置バルーンカテーテルも抜去され歩行開始となった.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.