今月の臨床 婦人科の新しい画像診断法─PETを中心として
CT─最近の話題
Multidetector─row CT(MDCT)―MDCTの基礎と婦人科領域での有用性
鈴木 保子
1
,
山下 康行
2
1国立病院機構熊本医療センター放射線科
2熊本大学放射線診断学
pp.1488-1493
発行日 2005年11月10日
Published Date 2005/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100434
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はじめに
婦人科領域において,被曝を伴うCTの役割は限られている.Multidetector─row CT(MDCT)によって,任意断面が得られるようになったとはいえ,MRIに比較して組織コントラストに劣り,病変の質的診断,広がり診断に用いることもできない.MDCTの婦人科疾患における有用性として挙げられるのは,撮像時間の早さと短時間に広範囲の画像が得られる利点を活かした,広範囲な転移巣の検索,あるいは急性腹症における腹部骨盤の広範囲かつ迅速な検索である.
1989年にヘリカルCTの臨床応用が発表され,それ以来ヘリカルCTは臨床の場に急速に普及した.さらに1999年,複数の検出器を有するCTスキャナー(multidetector─row CTあるいはマルチスライスCT)の登場によって,CT診断はさらなる発展を遂げた.
MDCTの基礎と,婦人科疾患への応用と限界について述べ,症例を挙げ解説する.
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