今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識
Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療
2.妊娠合併症の治療と注意点
[精神系疾患] パニック障害
神谷 直樹
1
1東京慈恵会医科大学附属柏病院産婦人科
pp.539-541
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100263
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1 疾患の概要
従来,不安神経症,心臓神経症などと呼ばれ,日常診療のなかで比較的よく遭遇するもので,1980年,アメリカの精神科診断基準(DSM─III)1)に採用されて以来,パニック障害という語彙が使用されるようになった.強迫性障害,社会不安障害,全般性不安障害,外傷後ストレス障害とともに,不安障害の1つとされている.
何の前ぶれもなく突然,心臓が激しくドキドキしたり,呼吸が苦しくなったり,めまいや身体が震えるなどの症状(パニック発作)と,激しい不安感(予期不安)が発作的に起こる疾患である.詳しくはDSM─IVをご覧いただきたい(表1)2).
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