連載 イラストレイテッド産婦人科小手術・8
―【婦人科小手術】―外陰部コンジローマの手術(切除・焼灼術)
大本 裕之
1
1倉敷成人病センター産婦人科
pp.792-795
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100139
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1はじめに
ウイルス性疣贅はヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus : HPV)が皮膚および粘膜上皮細胞に感染して起こる良性腫瘍であり,臨床病型の1つとして,尖圭コンジローマが知られている.近年,HPVが子宮頸癌や皮膚癌からも検出され,HPV感染症や発癌の問題を考えながら診療に当たる必要性が指摘されている1, 2).したがって,治療に当たっては,疣贅発症のメカニズムや自然史などHPV感染症の特徴を理解して行うことが大切である.
産婦人科臨床で遭遇する外陰部の“いぼ”である尖圭コンジローマはHPV 6や11型による感染が主な原因とされている.本来ウイルス感染症の治療は薬物療法が主体であるが,本疾患に対する特異的抗ウイルス剤や特効的治療法はなく,異なった作用機序の治療法を種々選択しているのが現状である(表1)3).今回はテーマである手術療法に限って,最近の皮膚科学的,ウイルス学的知見も交えて,当科で行っているループ電気外科切除法(loop electrosurgical excision procedure : LEEP)による治療を中心に述べる.
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