特集II Myelopathy・Radiculopathy
Cervical myelopathyの経過と治療適応
柴崎 昌浩
1
,
河西 成顕
1
,
平林 洌
1
Masahio SHIBAZAKI
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.1154-1160
発行日 1975年12月25日
Published Date 1975/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908542
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いとぐち
頸部脊椎症の概念は,Brain,Northfield,Wilkinson(1948)らにより確立されたが,しばしば随伴する脊髄症状の発現機序については各種の説があり,いまだ完全に明らかにされたとはいえない.現在ではその中でも椎間板変性に起因した骨棘ならびに突出椎間板により脊髄が直接圧迫されて生ずるとするものと4),圧迫により脊髄栄養動脈の障害を来たし,その結果脊髄の血行不全を介してMyelopathyを呈するに至るとするものとが有力である.
Cervical myelopathyに対する手術は2),これらによつて生じた脊髄の変化が可逆性の状態のうちになされるべきことはいうまでもないが,他方Brain(1952)1,3),Lees(1963)7)の報告にもある通り,Cervical Disordersはある時期には,ある程度の障害を残しながら症状が固定化してそれ以上には進まない場合も多い.したがつて治療の適応を決めるに当つては,単に現症を把握するのみでなく,そこに至る経過を検討し,以後とるであろう経過を予測しなければならない.
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