特集 脊椎外科(第1回脊椎外科研究会より)
椎間板ヘルニア摘出(Love法)と後側方固定の併用による治療法
田口 厚
1
,
麻生 英保
1
,
管 尚義
1
,
田島 直也
2
Atsushi TAGUCHI
1
1長崎原爆病院整形外科
2長崎大学医学部整形外科学教室
pp.931-933
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908516
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はじめに
腰部椎間板ヘルニアの手術的療法は,我が国ではLove法による椎弓切除,ヘルニア摘出術が最も愛用されその優秀性も種々報告されているが,単にヘルニアの摘出のみでは腰痛が残存したり,またかえつて腰椎不安定症状を呈ける例をしばしば経験するところである.かかる例には椎間板の切除とその椎間を固定することがより根治的な方法であると考える.
これには前方進入による椎間板切除と椎体固定法の優秀性が報告され,我々も45年より同法を採用し,112例139椎間の術後成績をさきに報告したが,2椎間固定,腰仙間固定に骨癒合不全例,腰痛遺残例がみられ,また副作用として,血栓性静脈炎,肺塞栓,無精子症,採骨部位の変形,大血管の損傷,麻痺性イレウス等の症例を経験し,技術的な問題もあるが必ずしも満足できない点があるため,最近3年間はWatkinsが提唱した後側方固定法を採用し現在まで100余例に施行している.この際ヘルニア様所見がある症例には,水溶性ミエログラフィーディスコグラフィーを適宜施行した後,Love法による椎弓切除,ヘルニア摘出術を併用し良好な成績を得ている.
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