論述
ペルテス病の早期のX線像
荒井 三千雄
1
,
田中 哲夫
2
Michio ARAI
1
1岩手医科大学整形外科学教室
2盛岡日赤病院整形外科
pp.3-11
発行日 1969年1月25日
Published Date 1969/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908464
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はじめて跛行や疼痛を現わすときをペルテス病の発病とみなせば,本症に特徴的な骨頭核の変化が明瞭となるのは発病後,数週ないし3ヵ月,またはそれ以後とされている.したがつて本症のごく早期においては実際上,X線学的な診断は不可能といえる.また,この時期においては非特異性滑膜炎の病像とまつたく区別できぬことも多くの人の指摘する通りで,さらにはFerguson & Howorth11),Kemp & Boldero19),Jacobs17)らもすでに表明しているように,ペルテス病がこの滑膜炎に続発するのではないかとの考えが生じてくる.もし,両疾患の間に病因上のつながりがあるとすれば,ペルテス病の本態の考究上や,また発症の予防,早期治療などの対策上もいくつかの重要な問題が提議されなければならない,今回はペルテス病の早期X線像を中心に述べてみたい.
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