視座
北海道を旅して
片山 良亮
1,2
1東京慈恵会医科大学
2東急病院
pp.2
発行日 1969年1月25日
Published Date 1969/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908463
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私はこの夏,河邨教授の御案内をいただいて,Dr. Howorth夫妻と一緒に約1週間にわたり北海道の旅を楽しませて頂きました.Dr. Howorthは甚だしく長身にして細く,この奥に目ありというような顔で細い目をしておられますし,河邨教授は御存知の通り牛も恥じらうばかりの目をしておられ,私がお2人の顔をみ,お話を聞いておりますのが誠に面白うございました.その上,永田と申される鳥類学の有名な先生が釧路から加わり,これまたなんとも言えない野趣味の溢れた方で,更に話が盛りあがり,日米合同弥次喜多道中の観がありました.
私はこの旅行中に気付いたこと,思いついたことなど数々ありますが,ある病院を訪れまして,私ども一行は医局の先生に大変な御歓待を頂きました.ところで,その病院へ入るには3つの道がある由で,あいにく私どもの到着が1時間も遅れたものでありますから,先生方が3人でそれぞれ3本の道を見張つておられた由で,私は大変に恐縮いたしますとともに,若い頃の医局生活を思い出しまして,誠に感慨深いものがありました.ことに自分の先生に「テメェー」とくつてかかり,経営に参加させろと主張するかと思えばゴーゴーに興じるという現代青年かたぎの時代に,私のこの感慨はひとしおであつたわけであります.
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