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Rinsho Seikei Geka Volume 31, Issue 2 （February 1996）

臨床整形外科 31巻2号（1996年2月発行）

Japanese English

論述

手関節三角線維軟骨複合体損傷に対する尺骨短縮術の検討 Ulnar Shortening for the Triangular Fibrocartilage Complex Tear 中村俊康 ^1,2 , 矢部裕 ¹ , 堀内行雄 ¹ , 市川亨 ¹ , 山中一良 ¹ Toshiyasu Nakamura ^1,2 ¹慶應義塾大学医学部整形外科学教室 ²藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院（第2教育病院）整形外科 ¹Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University キーワード： ulnar shortening , 尺骨短縮術 , ulnocarpal abutment syndrome , 尺骨突き上げ症候群 , triangular fibrocartilage complex tear , 三角線維軟骨複合体損傷 Keyword: ulnar shortening , 尺骨短縮術 , ulnocarpal abutment syndrome , 尺骨突き上げ症候群 , triangular fibrocartilage complex tear , 三角線維軟骨複合体損傷 pp.169-176

発行日 1996年2月25日 Published Date 1996/2/25

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908416

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Abstract 文献概要
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　抄録：ulnocarpal abutment（以下abutment）症候群に対し，除圧，除痛を目的として尺骨短縮術が行われているが，われわれは尺骨短縮術は除圧効果のみならず回内外可動域を拡大し，手関節尺側の不安定性を解消し得ると考え，plus varianceを呈さない三角線維軟骨複合体（以下TFCC）損傷も適応としている．今回尺骨短縮術を施行した症例24例24肢の回旋可動域，疼痛，遠位橈尺関節不安定性の改善について調査，検討した，

　症例の内訳はabutment症候群18例，TFCC単独損傷6例であった．短縮量はabutment症候群ではnull varianceを目標とし，TFCC損傷では3mmとした．臨床成績は優19，良5と良好で，疼痛，回内外可動域，遠位橈尺関節不安定性ともに改善した．以上から，尺骨短縮術は回内外可動域，疼痛，不安定性の改善を見込める手術法で，特にTFCC損傷に有効であった．このことは尺骨の短縮によりTFCCのsuspension効果が向上するためと考えられた．