Japanese
English
臨床経験
関節内に伸筋腱矢状索が陥入した環指MP関節側副靱帯損傷の1例
Rupture of the Radial Collateral Ligament of the Fourth MP Joint with Interposition of the Extensor Saggital Band in the MP Joint : A Case Report
西浦 康正
1
,
細谷 俊彦
1
,
大平 孝之
1
,
安藤 祐之
1
,
川島 秀一
1
,
伊藤 恵康
2
Yasumasa Nishiura
1
1総合太田病院整形外科
2慶友整形外科病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Ota General Hospital
キーワード:
伸筋腱矢状索
,
extensor saggital band
,
MP関節
,
metacarpophalangeal joint
,
側副靱帯損傷
,
collateral ligament injury
Keyword:
伸筋腱矢状索
,
extensor saggital band
,
MP関節
,
metacarpophalangeal joint
,
側副靱帯損傷
,
collateral ligament injury
pp.1183-1186
発行日 1995年10月25日
Published Date 1995/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908289
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:症例は69歳の女性で,自転車でトラックと接触して転倒,受傷直後に当科を受診した.左手背は腫脹著明で,環・小指はMP関節で尺屈しており内転が不可能であった.環指の伸展は制限され,環指MP関節背側に著明な圧痛が見られた.単純X線像で指骨,中手骨に明らかな骨折・脱臼は認められなかったが,尺側へのストレスで環指MP関節に著明な動揺性を認めた.即日手術を施行し,環指MP関節を背側から展開した.皮下に中手骨骨頭が現れ伸筋腱は尺側に偏位しMP関節に伸筋腱矢状索が陥入していた.陥入した伸筋腱矢状索を整復すると,橈側に側副靱帯の断端が飛び出し,あたかも母指のMP関節尺側側副靱帯損傷のStener lesionのような病態を呈した.伸筋腱を縦切し,側副靱帯の修復を行った.術後経過は良好であった.矢状索の整復と共にMP関節の安定性の獲得のために側副靱帯の修復が必須で,観血的治療の絶対適応であると考えられた.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.