Japanese
English
臨床経験
いわゆるBoxer's Knuckleの2例
Boxer's Knuckle : A Report of Two Cases
尼子 雅敏
1
,
根本 孝一
1
,
中島 秀人
1
,
堀川 治
2
,
桑原 俊英
3
Masatoshi Amako
1
1防衛医科大学校整形外科
2自衛隊富士病院整形外科
3自衛隊体育学校
1Department of Orthopaedic Surgery, National Defense Medical College
キーワード:
boxer's knuckle
,
MP関節
,
metacarpophalangeal joint
,
伸展機構
,
extension apparatus
Keyword:
boxer's knuckle
,
MP関節
,
metacarpophalangeal joint
,
伸展機構
,
extension apparatus
pp.643-645
発行日 1995年5月25日
Published Date 1995/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901639
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:いわゆるboxer's knuckleの2例を経験し,手術的治療により良好な成績を得た.症例1は22歳のボクシング全日本ミドル級チャンピオンである.試合中受傷し,MP関節背側の疼痛と腫脹を生じた.近医で保存的治療を受けていたが軽快せず,受傷半年後に手術を施行した.expansion hoodは軽度の菲薄化と発赤のみで明らかな断裂はなかったが,その下層の背側関節包が鋭利に断裂していた.このような損傷形態は従来の分類に含まれていないものである.症例2は,19歳の元ボクシング選手で,スチール製ロッカーを叩いて受傷した.MP関節背側の疼痛と腫脹を主訴に受診し,保存的に軽快しないため受傷2カ月後手術を施行した.expansion hoodと背側関節包の断裂が認められた.症例1,2とも断裂部の辺縁を新鮮化し縫合した.術後疼痛は消失し,良好な機能を回復して受傷前のスポーツ活動に復帰できた.boxer's knuckleに対しては積極的に手術を行うことにより,早期のスポーツ復帰が可能となる.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.