Japanese
English
臨床経験
尺側全CM関節掌側脱臼の1例
Simultaneous Volar-Dislocation of the Ulnar Four Carpometacarpal Joints: A Case Report
山田 陸雄
1
,
高橋 惇
1
,
外川 宗義
1
,
西 幸美
1
,
伊藤 正純
1
,
河野 克己
1
,
小山 明
1
Rikuo Yamada
1
1清水市立病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Shimizu Municipal Hospital
キーワード:
手根中手関節
,
carpometacarpal joint
,
掌側脱臼
,
volar-disolocation
,
回旋力
,
rotational force
,
脱臼骨折
,
fracture-dislocation
Keyword:
手根中手関節
,
carpometacarpal joint
,
掌側脱臼
,
volar-disolocation
,
回旋力
,
rotational force
,
脱臼骨折
,
fracture-dislocation
pp.853-856
発行日 1994年7月25日
Published Date 1994/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908273
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:われわれは,稀な外傷である尺側全CM関節掌側脱臼の1例を経験したので報告する.症例は20歳の男性で,乗用車を運転中,交差点で右折中の軽トラックに衝突,受傷した.初診時所見では,右手の著明な腫脹・疼痛,右手指の運動障害,および右前額部挫傷を認めた.単純X線撮影では第2から第5CM関節にかけてのmalalignment,側面断層撮影では,第2から第5CM関節にかけての掌側脱臼,および,第2中手骨基部背側の剥離骨折を認めた.受傷2日目に徒手整復,Kirschner鋼線による経皮的ピンニングを施行した.受傷後3カ月時では,握力の低下を認めるが,手指の運動は正常で原職に復帰している.今回の発生機序は,直達外力の他に,受傷時,体が右方へ飛ばされた際,第5CM関節尺側を軸とした回旋力が発生し,CM関節の掌側脱臼を生じたものと推測される.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.