Japanese
English
臨床経験
手指全CM関節脱臼の1例
A Case of Dislocations of All Five Carpometacarpal Joints
杉浦 英志
1
,
杉浦 昌
1
,
片岡 祐司
1
,
佐々木 哲
1
Hideshi Sugiura
1
1市立岡崎病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Okazaki City Hospital
キーワード:
手根中手関節
,
carpometacarpal joint
,
脱臼
,
dislocation
Keyword:
手根中手関節
,
carpometacarpal joint
,
脱臼
,
dislocation
pp.995-999
発行日 1990年8月25日
Published Date 1990/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900175
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抄録:母指を含む手指全CM関節脱臼は,1873年,Rivingtonの報告以来,われわれの渉猟し得た範囲では13例にすぎない.今回われわれは,この極めて稀とされる手指全CM関節脱臼の症例を経験した.
症例は22歳,男性で,オートバイ運動中ワゴン車と衝突し受傷.X線所見にて左手全CM関節の背側脱臼を認めた.全身状態が不安定であったため徒手整復を行い,ギプス固定とし10週間の固定後積極的な後療法を開始した.受傷後6ヵ月の現在では,左手関節,手指のROM制限や疼痛もなく,ADL上特に支障はない.本症例において,第2-第5CM関節の背側脱臼は,ワゴン車と衝突した際,手関節をやや掌屈位にて急ブレーキをかけ,この時,中手骨頭部に強いインパクトを受けた結果,中手骨基部に背側方向へのcounter forceを生じたためと考えられた.また,第1CM関節の背側脱臼は指間部のハンドルバーによる直達外力が原因と思われた.
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