Japanese
English
臨床経験
SLEに合併した早期大腿骨頭壊死症の1例
SLE Associated Avascular Necrosis of the Femoral Head: A Case Report
原 理恵子
1
,
増田 武志
1
,
松野 丈夫
1
,
長谷川 功
1
Rieko Hara
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Hokkaido University
キーワード:
ステロイド性大腿骨頭壊死
,
steroid-induced avascular necrosis of the femoral head
,
SLE
Keyword:
ステロイド性大腿骨頭壊死
,
steroid-induced avascular necrosis of the femoral head
,
SLE
pp.1215-1220
発行日 1989年10月25日
Published Date 1989/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908212
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抄録:ごく早期から経過観察が可能であったSLEに合併する大腿骨頭壊死症の1例を経験した.症例は14歳女性で,SLE発症の3ヵ月後,ステロイド投与開始1ヵ月後の骨シンチ及びMRIで骨頭内に異常を認めた.9ヵ月後のX線写真に帯状硬化像が出現し,1年7ヵ月後の骨頭の骨生検で明らかな骨壊死像が得られた.しかし当科初診より現在までの2年9ヵ月間,臨床的に殆ど無症状であり,臨床症状の有無とは無関係に,SLE発症またはステロイド投与開始の直後に骨壊死が発生している可能性が示唆された.本症例が臨床的にsilentであった原因として,組織学的脆弱性が少ないことが考えられた.本症例のように長期間発症しない症例は臨床的に見逃されている可能性が高いが,典型的症例と比較して,臨床症状の発現しない要因を検討することが本症の発症機序及び病態の解明に重要と思われた.
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