Japanese
English
臨床経験
棘上筋に発生したinfiltrating angiolipomaの1例
A Case Report of Infiltrating Angiolipoma in the Supraspinatus Muscle
多田 弘史
1
,
冨永 芳徳
1
,
池田 俊彦
1
,
萱澤 比呂志
1
,
坂本 力
2
,
森 渥視
3
,
松本 正朗
4
Hiroshi Tada
1
1公立甲賀病院整形外科
2公立甲賀病院放射線科
3滋賀医科大学第二外科
4滋賀県立成人病センター病理
1Department of Orthopedic Surgery, Kouga Public Hospital
キーワード:
浸潤性血管脂肪腫
,
infiltrating angiolipoma
,
棘上筋
,
supraspinatus
,
静脈結石
,
phlebolith
Keyword:
浸潤性血管脂肪腫
,
infiltrating angiolipoma
,
棘上筋
,
supraspinatus
,
静脈結石
,
phlebolith
pp.749-753
発行日 1989年6月25日
Published Date 1989/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908131
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抄録:infiltrating angiolipomaは1966年Gonzalez-Crussiらにより報告された稀な良性腫瘍で,その病理所見は血管増生を伴う成熟脂肪組織が健常周囲組織に浸潤した像を示す.今回,左棘上筋に発生したinfiltrating angiolipomaを治療する機会を得たので報告する.症例は51歳男性で急速に増大する左肩甲部の腫瘤のため来院した.軟部撮影,CTで腫瘍内に異常石灰化を認め,血管造影で動脈瘤様血管と蛇行拡張した流出静脈が認められた,手術時,11×8cmの一部被膜を持つ黄色の実質性腫瘍が棘上筋から腱板に浸潤しているのが認められ,拡張した静脈内に結石が証明された.病理組織検査で初めてinfiltrating angiolipomaの診断を得たが,本腫瘍は術前診断が可能な腫瘍である.治療は腫瘍切除のみでは高率に再発するので健常部を含めた広範囲切除が原則であるが,生命を脅かすものではない為,機能障害を残さない配慮が必要である.
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