特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)
第17回日本脊椎外科研究会をふりかえって
河合 伸也
1
1山口大学整形外科
pp.347
発行日 1989年4月25日
Published Date 1989/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908064
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頸椎に不安定性が存在するという表現は日常よく用いられています.そしてその不安定性の有無によって治療方針の選択が大きい影響を受け,しばしば椎間固定術の必要性を判断する根拠となっています.しかし,頸椎の不安定性を一定の基準として具体的に説明することは決して容易でありません.年齢,性別,変性度等の多くの要素を考慮する必要もあります.明らかな辷りや彎曲異常があれば,その判断は難しくありませんが,実際には頸椎の機能撮影によって椎間の可動状態を種々の要素を勘案して総合的に判定していることもあるのが現状です.
頸椎の不安定性を来す原因は多岐にわたります.代表的なものとして外傷,変性,腫瘍,炎症あるいは術後等が挙げられます.椎間不安定性の病態の把握や治療方針の決定に際し,原疾患の状態を考慮しながら検討する必要があります.
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