Japanese
English
臨床経験
硬膜内へ脱出した腰椎椎間板ヘルニアの1例
A Case of Intradural Lumbar Disc Hernia
斉藤 正史
1
,
細川 昌俊
1
,
加藤 哲也
1
,
横井 秋夫
1
,
塩田 匡宣
1
,
木原 正義
1
Masashi Saito
1
1国立東京第二病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, The Second Tokyo National Hospital
キーワード:
腰椎
,
lumbar spine
,
硬膜内ヘルニア
,
intradural disc herniation
,
椎間板造影
,
discography
Keyword:
腰椎
,
lumbar spine
,
硬膜内ヘルニア
,
intradural disc herniation
,
椎間板造影
,
discography
pp.217-220
発行日 1989年2月25日
Published Date 1989/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908038
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抄録:腰椎椎間板ヘルニアが硬膜内へ脱出する例は稀で術前診断も困難である.今回椎間板造影により術前診断を行い得た1例を経験したので報告する.症例は61歳,男性で主訴は腰痛,左大腿部痛,ゴルフのラウンド中に腰痛をきたし,その後悪化したため来院した.来院時腰痛のため起立不能でPSR;右正常,左減弱,ASR;両側消失,Leségue;両側70度(+)で下肢に知覚障害なく筋力も正常であった.脊髄造影所見はL2/3間で一部騎跨状像を呈する完全ブロック像を示した.造影後馬尾神経の麻痺症状を起こした.巨大正中ヘルニア,脊髄腫瘍を疑い鑑別のため椎間板造影を行い,椎間板の後方脱出像と脊髄造影像が得られたため硬膜内へ脱出したL2/3椎間板ヘルニアと診断し手術を行った.椎弓切除を行い硬膜を切開すると脱出した椎間板が確認でき,硬膜と強く癒着していたため硬膜とともに摘出した.術後約2年後の現在,右足底部にしびれを残すが日常生活に支障はない.
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