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特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)
脊柱管内靱帯骨化症における予後不良例の検討
Clinical Review of Poor Results for Ossification of Intraspinal Canal Ligament
村瀬 正昭
1
,
井形 高明
1
,
八木 省次
1
,
篠原 一仁
1
,
正木 国弘
1
,
田村 阿津王
1
,
柏口 新二
1
,
山下 雅樹
1
Masaaki Murase
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine Tokushima University
キーワード:
後縦靱帯骨化症
,
ossification of posterior longitudinal ligament
,
黄靱帯骨化症
,
ossification of yellow ligament
,
予後不良
,
poor result
Keyword:
後縦靱帯骨化症
,
ossification of posterior longitudinal ligament
,
黄靱帯骨化症
,
ossification of yellow ligament
,
予後不良
,
poor result
pp.473-479
発行日 1988年4月25日
Published Date 1988/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907840
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抄録:脊柱管内靱帯骨化症(頸椎後縦靱帯骨化症,胸椎後縦靱帯骨化症,胸椎黄靱帯骨化症)の術後成績不良例について検討した.対象は頸椎部36例,胸椎部15例であり,手術時年齢は31歳から71歳(平均52歳),平均経過期間は2年8ヵ月である.改善率(平林法)が0%以下の不良群は,頸椎部5例(13.9%),胸椎部5例(33.3%)であり,改善率50%以上の良好群に比し、手術時年齢が高く,罹病期間が長い傾向にあった.総合的評価による予後不良要因として,①術前の脊髄病変の把握不足,②手術手技の不適(除圧幅の不足),③著明な脊髄変性(脊髄空洞化等),④脊柱後彎の増強,などが考えられた.これらの対策として,①術前の脊髄病変の正確な把握により,手術の好期を逸しないこと,②正しい責任病巣の決定と,適切な手術方法の選択下でatraumaticな操作に終始すること,③術前よりVitamin Eの投与による脊髄保護を行い,術中にはモニターリングの併用も考慮することなどが重要と思われた.
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