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特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)
脊柱靱帯骨化症の実験的研究—骨形成因子を用いて
Experimental Study of Ossification of the Spinal Ligaments: with Reference to Bone Morphogenetic Protein
宮本 紳平
1
,
中原 治彦
1
,
高岡 邦夫
1
,
米延 策雄
1
,
小野 啓郎
1
Shimpei Miyamoto
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University Medical School
キーワード:
脊柱靱帯骨化症
,
ossification of the spinal ligaments
,
骨形成因子
,
bone morphogenetic protein
Keyword:
脊柱靱帯骨化症
,
ossification of the spinal ligaments
,
骨形成因子
,
bone morphogenetic protein
pp.391-396
発行日 1988年4月25日
Published Date 1988/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907829
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抄録:脊柱靱帯骨化症が異所性骨化現象であることは知られているが,その病因は明らかにされていない.他方,異所性に骨組織を誘導し得る物質として骨形成因子が知られている.本症の発症に骨形成因子が関与しているかを実験的に検討した.マウス骨肉腫より抽出・部分精製した骨形成因子をマウスに移植し,脊柱靱帯に作用させた.骨形成因子の作用により,1)腰椎黄靱帯の著明な肥厚がみられ,未分化間葉系細胞の増殖,線維の増生・配列の乱れによる線維構造の不明瞭化,小血管の侵入,elastic fiberの減少などを認めた.2)尾椎は,骨膜下での骨形成により横径を増し,尾椎縦靱帯の肥厚・細胞増殖・線維配列の変化を認めた.これらの所見は,臨床的な病理組織像と類似することより,本症の発症に骨形成因子が関与している可能性が示唆された.骨形成因子を用いた本症の疾患モデル作成には,今後さらに検討を要する.
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