特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)
脊柱管内靱帯骨化の病態と治療
黒川 高秀
1
1東京大学
pp.347
発行日 1988年4月25日
Published Date 1988/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907810
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本誌に特集されている第16回日本脊椎外科研究会の主題は,脊柱管内靱帯骨化の病態と治療である.脊柱管内の靱帯骨化すなわち後縦靱帯骨化と黄色靱帯骨化は,成人の脊髄障害の原因のなかで,我国では脊椎症とならんでもっとも頻度の高いものであり,整形外科医であれば日常診療においてこの患者を扱う機会がかならずある.
本研究会がこれをとりあげたのは,故井上駿一教授が昭和49年第2回研究会において頸椎後縦靱帯骨化症を主題とされて以来13年ぶりである.この間をふりかえると,成因解明,診断,治療のどの面にも大きい進歩があった.たとえば我国の風土病のような観が疫学調査等によって払拭され,遺伝,食物,内分泌,カルシウム代謝などの背景因子が検討され,水溶性造影剤と画質のよいCTの出現によって脊髄萎縮の有様が明らかになり,骨化の長期観察によって増大の頻度と速さがわかった.
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