Japanese
English
臨床経験
意識消失発作を伴った頭蓋頸椎移行部重複奇形の1例
Malformations of the Craniocervical Junction Causing Syncope Attack. Report of a Case
小島 朗
1
,
藤原 桂樹
1
,
米延 策雄
1
,
冨士 武史
1
,
小野 啓郎
1
Akira Kojima
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Osaka University Medical School
キーワード:
意識消失発作
,
syncope attack
,
椎骨脳底動脈不全
,
vertebrobasilar insufficiency
,
頭蓋頸椎移行部奇形
,
malformations of craniocervical junction
,
起立性低血圧
,
orthostatic hypotension
,
脊髄萎縮
,
spinal cord atrophy
Keyword:
意識消失発作
,
syncope attack
,
椎骨脳底動脈不全
,
vertebrobasilar insufficiency
,
頭蓋頸椎移行部奇形
,
malformations of craniocervical junction
,
起立性低血圧
,
orthostatic hypotension
,
脊髄萎縮
,
spinal cord atrophy
pp.295-300
発行日 1988年3月25日
Published Date 1988/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907801
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抄録:頭蓋頸椎移行部の複合奇形を有し四肢不全麻痺症状及び椎骨動脈不全症状を呈した44歳の男性を経験した.理学的所見では著明な起立性低血圧が見られた.奇形としては頭蓋底嵌入症,後頭骨環椎癒合,環椎癒合不全,軸椎椎弓欠損に加えた左椎骨動脈の走行異常・低形成も合併していた.軸椎では椎弓欠損のみならず椎弓根の低形成も見られたため頸椎後屈時には環椎椎弓が軸椎下部にまで移動し有効脊柱管径は9mmにまで狭小化した.このような動的狭窄がみられる軸椎下部ではクモ膜下腔の狭窄は認めなかったにもかかわらず脊髄は著明に萎縮していた.ハローベストで頸椎を中間位に固定する事により症状の改善を得たため脊髄の動的圧迫が発症の原因と推察し後頭骨から第6頸椎に至る固定術を施行した.術後2年半の現在骨癒合は得られたが症状の改善は部分的なものにとどまっている.本症例の症状発現機序及び病態に関し考察を加え報告した.
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