Japanese
English
論述
変形性股関節症に対するChiari骨盤骨切り術の術後成績—臼蓋唇異常の影響について
Results of Chiari's Pelvic Osteotomy for Coxarthrosis: Abnormality of Limbus and Its Influence on Results
仁科 哲彦
1
,
西塔 進
1
,
美延 幸保
1
,
大園 健二
1
,
清水 信幸
1
,
高岡 邦夫
1
,
小野 啓郎
1
Tetsuhiko Nishina
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University Medical School
キーワード:
変形性股関節症
,
coxarthrosis
,
Chiari骨盤骨切り術
,
Chiari's pelvic osteotomy
,
股関節造影
,
arthrography of the hip joint
,
臼蓋唇
,
limbus
Keyword:
変形性股関節症
,
coxarthrosis
,
Chiari骨盤骨切り術
,
Chiari's pelvic osteotomy
,
股関節造影
,
arthrography of the hip joint
,
臼蓋唇
,
limbus
pp.247-255
発行日 1988年3月25日
Published Date 1988/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907794
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抄録:変形性股関節症に対するChiari骨盤骨切り術はすでに確立した治療方法のひとつである.しかし,一方で手術適応,手技が充分規準を満たしているにもかかわらず,術後に疼痛を残す症例が存在する.この原因はいまだ明らかでない.本研究ではChiari骨盤骨切り術の術後成績を左右する因子として術前の股関節造影における臼蓋唇の異常につき検討した.対象症例は58例64関節である.これらの症例はいずれも初期股関節症で,術前に股関節造影を施行し,術後2年以上,平均4年間経過観察された.術前の臼蓋唇像はnormal(23関節),inversion(21関節),tear(20関節)の3群に分類された.全症例の術前JOA-scoreは平均75.6点で,術後は平均90.4点と改善した.しかし,79点以下の成績不良例の割合はnormalで0%,inversionで5%,tearで45%とtearで多かった.このことから術前の臼蓋唇の異常が本手術の重要な予後因子であることがわかった.
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