Japanese
English
論述
変形性股関節症が仙腸関節に与える影響
The Influence of the Coxarthrosis to the Sacroiliac Joint
斎藤 昭
1
,
菊地 臣一
2
,
矢吹 省司
2
,
武田 浩一郎
2
Akira Saito
1
1公立相馬総合病院整形外科
2福島県立医科大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Public Foundation Soma General Hospital
キーワード:
coxarthrosis
,
変形性股関節症
,
sacroiliac joint
,
仙腸関節
Keyword:
coxarthrosis
,
変形性股関節症
,
sacroiliac joint
,
仙腸関節
pp.231-236
発行日 2002年3月25日
Published Date 2002/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903490
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抄録:変形性股関節症が仙腸関節に与える影響を明らかにすることを目的とした.対象は変形性股関節症の男性7例,女性130例の合計137例である.変形性股関節症の罹患側は,右側が46例,左側が50例,そして両側が41例であった.これらの症例に対し,仙腸関節痛,変形性股関節症の罹病期間,肥満度,出産回数,そして股関節可動域を調査した.さらに,単純X線像から仙腸関節部の骨硬化像,脚長差,および骨盤輪不安定性の有無を検討した.その結果,仙腸関節痛を認めた症例は27例(19.7%)であった.仙腸関節痛は,比較的若年者や骨盤輪不安定性を有する症例に出現しやすい.仙腸関節部の骨硬化像は78例(56.9%)に認めた.この所見は比較的若年者や変形性股関節症の罹病期間が長い症例に認めやすい.また,脚長差が大きい症例や下肢長の長い側に骨硬化像が出現しやすい.しかし,仙腸関節部の骨硬化像の存在が疼痛を直接反映するとはいえない.
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