Japanese
English
論述
aneurysmal bone cystの成因について(その3)—嚢腫内液の検査およびPAP法による組織学的検査結果から
New Hypothesis about the Pathogenesis of Aneurysmal Bone Cyst (NO.3): Based upon the Pathological Changes of Cystic Fluid and Histological Findings by Fibrinogen-stain by PAP Method
石田 俊武
1
,
大向 孝良
1
,
高見 勝次
1
,
宋 景泰
1
,
奥野 宏直
2
,
石川 博通
2
,
小野 興三郎
3
,
久保 俊雄
3
,
西浦 道行
3
Toshitake Ishida
1
1大阪市立大学医学部整形外科学教室
2日生病院整形外科
3大阪市立池田病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Osaka City University Medical School
キーワード:
動脈瘤様骨嚢腫
,
aneurysmal bone cyst
,
局所型血管内凝固
,
local intravascular coagulation
,
フィブリノーゲン染色
,
fibrinogen-stain by PAP method
Keyword:
動脈瘤様骨嚢腫
,
aneurysmal bone cyst
,
局所型血管内凝固
,
local intravascular coagulation
,
フィブリノーゲン染色
,
fibrinogen-stain by PAP method
pp.1271-1278
発行日 1987年11月25日
Published Date 1987/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907723
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抄録:aneurysmal bone cystの成因についてのLichtensteinの主張する循環障害説に反対して,著者らはosteoclastまたはosteoclast様細胞の作用が主原因であると主張しているが,今回は15歳女性の左恥骨に発生した本疾患の嚢腫内液の性状の検索(静脈血との比較)および脈管学的検査結果から,嚢腫腔の形成および凝固しない血液の出現の機序について新しい考え方を述べた.すなわち,嚢腫内液は,血小板,fibrinogenの著明な減少,FDPの増加を除き静脈血と殆んど変らない.病理組織学的には病巣組織内細血管内に血球,fibrin混合血栓の形成がみられる.これらの結果から,病巣組織内細血管内で局所型の血管内凝固現象が発生し,凝固しにくくなった血液の血管外遊出が起る(PAP法によるfibrinogen染色施行).血栓形成によって壊死になった部分へ肉芽組織が進出してきて大循環系とは別個の静脈路が形成されると同時に,その壊死になった部分に遊出した血液が貯溜し嚢腫腔を形成する.
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