Japanese
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特集 腰仙部根症状の発症機序—基礎と臨床—(第15回日本脊椎外科研究会より)
立位負荷腰静脈造影所見よりみた馬尾性間欠跛行の発症機序について
A Role of Lumbar Epidural Venography in the Standing Position for Onset of Cauda Equina Claudication
大村 文敏
1
,
中川 俊
1
,
松尾 博由
1
,
山口 淳一
1
,
藤原 淳
1
,
白井 康正
1
Fumitoshi Ohmura
1
1日本医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nippon Medical School
キーワード:
立位負荷腰部硬膜外静脈造影
,
lumbar epidural venography in the standing position
,
馬尾性間欠跛行
,
cauda equina claudication
,
硬膜外静脈叢
,
epidural venous plexus
,
静脈性阻血
,
venous ischemia
Keyword:
立位負荷腰部硬膜外静脈造影
,
lumbar epidural venography in the standing position
,
馬尾性間欠跛行
,
cauda equina claudication
,
硬膜外静脈叢
,
epidural venous plexus
,
静脈性阻血
,
venous ischemia
pp.547-554
発行日 1987年4月25日
Published Date 1987/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907619
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抄録:腰部脊柱管狭窄症に特徴的な症状とされる馬尾性間欠破行は馬尾の圧迫により起こるとされているが,その発現機序は未だ明らかではない1,5,6,9,11,13,16)〜18).本症状は歩行や長時間の起立に際して発症するもので,従来臥位のみで行っていたepiduralvenographyを立位で行うことは硬膜外腔における静脈循環動態をより反映すると考えられる.
臥位venogramよりも立位venogramでは硬膜外静脈叢のvenous fillingは低下し,これはvenous returnの悪化を意味する.さらに立位でも腰椎前屈位よりも後屈位の方がvenous returnは悪化しており,この所見は間欠跛行の高度なものほど顕著であった.またこれらの変化はreversibleであり,間欠跛行が休息或いは姿勢変化により消失することで理解される.腰部脊柱管狭窄症では硬膜内外のvenous stasisが起こっており,馬尾のvenous ischemiaが症状発現に関与しているものと推測される.
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