Japanese
English
臨床経験
Salmonella Chesterによる急性化膿性股関節炎の1例
A Case Report of Salmonella Chester Arthritis
島岡 宏行
1
,
阪本 達也
1
,
上松 耕太
1
,
森田 健一
1
,
桝田 義英
1
,
大川 元美
2
,
下山 弘展
2
,
河原 信吾
2
Hiroyuki Shimaoka
1
1町立大淀病院整形外科
2町立大淀病院小児科
1Department of Orthopaedic Surgery, Ohyodo Hospital
キーワード:
pyogenic arthritis
,
化膿性関節炎
,
salmonella chester
,
サルモネラチェスター
,
septic arthritis
,
細菌性関節炎
Keyword:
pyogenic arthritis
,
化膿性関節炎
,
salmonella chester
,
サルモネラチェスター
,
septic arthritis
,
細菌性関節炎
pp.689-691
発行日 2000年5月25日
Published Date 2000/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903003
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抄録:われわれは極めて稀と思われるサルモネラによる化膿性関節炎を経験したので報告する.症例は4歳の女性で,右股関節痛と発熱を主訴として来院した.初診時,体温は40℃,右股関節屈曲位をとり,伸展にて強い股関節痛を訴えた.単純X線像では右股関節裂隙の開大,MRIでは右股関節に水腫の貯溜を認めた.細菌培養により便,血液,関節液のいずれからもサルモネラ菌を検出した.血清型はSalmonella Chesterであった.抗生物質の投与と関節洗浄により炎症症状は急速に消退し自発痛も消失した.
サルモネラ菌による食中毒が急増しているが,その血清型の国際化,多様化が認められる.一般に,関節炎を伴ったサルモネラ症は比較的少ない.また,septic arthritisは必ずしも胃腸症状を呈さず発症することから看過されている可能性がある.そこで,胃腸症状の有無にかかわらず関節炎の診断に際し,サルモネラ関節炎を考慮する必要がある.
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