Japanese
English
臨床経験
膝窩部に発生したbursal osteochondromatosisの1例
A Case Report of Popliteal Bursal Osteochondromatosis
水口 龍次
1
,
栗原 章
1
,
田中 賢治
1
,
福原 啓文
1
,
宮崎 誠一
1
,
豊田 嘉清
1
,
広瀬 哲司
1
,
鶏飼 和浩
2
Ryoji Minakuchi
1
1神戸労災病院整形外科
2神戸大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kobe Rosai Hospital
キーワード:
骨軟骨腫症
,
osteochondromatosis
,
膝窩嚢腫
,
popliteal bursa
Keyword:
骨軟骨腫症
,
osteochondromatosis
,
膝窩嚢腫
,
popliteal bursa
pp.1063-1066
発行日 1986年9月25日
Published Date 1986/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907485
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:Bursal osteochondromatosisは比較的稀な疾患であるが,このうちpopliteal bursaに発生するものが最も多く,調べ得た限りでは17例の報告がなされている.今回,我々は膝窩部に発生したbursal osteochondromatosisの1例を治療する機会を得た.症例は54歳の主婦で14年来の左膝関節痛があり,膝窩部に鶏卵大で弾性硬の腫瘤が存在した.単純X線写真では腫瘤部に一致して多数の石灰化陰影が認められ,関節造影によって造影剤は腫瘤内に流入した.手術時,腫瘤は膝窩筋を圧排するように存在し,27個の遊離体が内部に存在した.滑膜の病理組織所見では中等度の炎症像と表層下の骨組織がみられたが,軟骨細胞は認められなかった.一方遊離体には周辺部で軟骨細胞がみられ中心部では内軟骨性骨化が認められた.これらの所見はMilgramのSynovial osteochondromatosisの分類によれば3期に相当する所見と考えられた.術後患者の愁訴は消失しており経過良好である.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.