Japanese
English
臨床経験
小児の膝関節に発生した色素性絨毛結節性滑膜炎の1例
Pigmented Villonodular Synovitis of the Knee Joint in a Child : A Case Report
笠次 良爾
1,4
,
杉本 和也
1
,
中山 正一郎
2
,
石村 雅男
2
,
宮内 義純
2
,
藤沢 義之
3
Ryouji Kasanami
1,4
1済生会奈良病院整形外科
2奈良県立医科大学整形外科学教室
3奈良新大宮整形外科
4岡波総合病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Saiseikai Nara Hospital
キーワード:
pigmented villonodular synovitis
,
色素性絨毛結節性滑膜炎
,
localized type
,
限局型
,
child
,
小児
Keyword:
pigmented villonodular synovitis
,
色素性絨毛結節性滑膜炎
,
localized type
,
限局型
,
child
,
小児
pp.1029-1032
発行日 1998年8月25日
Published Date 1998/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902512
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抄録:小児の膝関節に発生した限局型の色素性絨毛結節性滑膜炎の1症例を経験した.症例は6歳の男児で,右膝関節痛と関節可動域制限を主訴として来院した.発症後18日目に関節鏡検査を施行し,関節内滑膜に茎を有する黄褐色の結節性腫瘤を確認し,これを鏡視下に摘出した.病理組織所見は,滑膜絨毛増殖,炎症細胞浸潤,多核巨細胞,ヘモジデリン沈着,泡沫細胞が認められた.以上の所見より,この腫瘤は色素性絨毛結節性滑膜炎であると診断した.術後1年の時点で可動域制限はなく,再発も認めず経過良好である.
6歳という低年齢での限局型色素性絨毛結節性滑膜炎の報告例は本邦において過去になく,本症例が本邦最年少例であると考えられる.
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