Japanese
English
臨床経験
高度の膝蓋骨骨破壊を来した色素性絨毛結節性滑膜炎の1症例
A Case Report of Pigmented Villonodular Synovitis with Massive Bone Destruction of Patella
中村 巧
1
,
畑田 和男
1
,
井口 竹彦
1
,
森本 聡
1
,
増田 頼昭
1
,
鳥巣 岳彦
2
Takumi Nakamura
1
1大分中村病院整形外科
2大分医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Oita Nakamura Hospital
キーワード:
色素性絨毛結節性滑膜炎
,
pigmented villonodular synovitis
,
膝関節
,
knee joint
,
膝蓋骨
,
patella
,
骨破壊
,
bone destruction
Keyword:
色素性絨毛結節性滑膜炎
,
pigmented villonodular synovitis
,
膝関節
,
knee joint
,
膝蓋骨
,
patella
,
骨破壊
,
bone destruction
pp.227-231
発行日 1988年2月25日
Published Date 1988/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907791
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抄録:症例は72歳女性.主訴は右膝の疼痛及び腫脹.昭和53年より,特に誘因なく軽度の右膝痛が出現した.昭和58年より右膝腫脹も現れるようになり,某医にて黄色関節液を吸引した.以来,関節穿刺の頻度は増加し,昭和60年より血性液となる.昭和61年には暗赤色血性液となり,同年4月に当科に入院となる.X線的には,膝蓋大腿関節面に著明な骨破壊を認めた.手術はPayrの皮切にて展開した.結節状腫瘤は,膝蓋骨外側及び内側縁,及び膝蓋下脂肪組織周囲に認められ,結節部は膝蓋骨破壊部分に一部接していたが,容易に剥離することができた.滑膜切除及び膝蓋骨摘出術を行った.臨床所見,手術所見,組織学的所見よりPVSと診断した.PVSによる骨破壊発生機序には諸説があるが,本症例では腫瘤の圧迫による二次性の変化とする圧迫説を示唆する所見であった.
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