Japanese
English
臨床経験
距骨に嚢腫様変化を呈した色素性絨毛結節性滑膜炎(PVS)の1例
Pigmented Villonodular Synovitis with Cystic Lesion of Talus. A Case Report
大田 秀一
1
,
浜田 勲
1
,
中村 孝志
1
,
林 卓司
1
,
綿谷 茂樹
1
Shuichi Ohta
1
1田附興風会医学研究所北野病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kitano Hospital
キーワード:
色素性絨毛結節性滑膜炎
,
pigmented villonodular synovitis
,
足関節
,
ankle joint
,
距骨
,
talus
,
骨破壊
,
bone destruction
Keyword:
色素性絨毛結節性滑膜炎
,
pigmented villonodular synovitis
,
足関節
,
ankle joint
,
距骨
,
talus
,
骨破壊
,
bone destruction
pp.1281-1285
発行日 1986年11月25日
Published Date 1986/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907515
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抄録:症例は66歳男性.主訴は右足関節痛.昭和48年某医にてPVSと診断され滑膜切除術をうけた.昭和51年他医にて距骨骨嚢腫と診断されるも放置していた.昭和59年6月嚢腫様病変の拡大を指摘され同年9月当科に入院した.レ線上距骨体部内側に嚢腫様骨透明巣を認め,足関節周囲軟部組織は軽度腫脹し,CT上軟部組織内にややhigh densityの部分が混在していた.PVSの再発を疑い手術を施行した.足関節周囲には多数の有茎性結節状腫瘤を認め,距骨体部内側のosteo-chondral junction近傍に直径約2mmの小孔が開存し,唯一これが嚢腫様病変部に通じていた.骨皮質を開窓すると足関節周囲と同様の結節状腫瘤が充満し,組織学的にもPVSの所見であった.手術は病巣郭清後腸骨骨移植を行った.PVSにおける骨破壊機序には諸説あるが,自験例では距骨の栄養動脈の1つである後脛骨動脈からの三角靱帯枝の血管孔経由でPVS組織が距骨内へ侵入したものと推測された.
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