Japanese
English
手術手技
上腕骨頸部骨折に対する螺線ピンの使用経験
Use of the spiral pin for fracture of the humeral neck
矢野 悟
1,2
,
篁 進
1,2
,
小林 郁雄
1,2
,
柏木 大治
3
Satoru YANO
1,2
1北兵庫整形外科センター
2兵庫県のじぎく療育センター
3明和病院整形外科
1North Hyogo orthopedic center
キーワード:
骨折
,
fracture
,
上腕骨頸部
,
humeral neck
,
螺線ピン
,
spiral pin
,
骨接合
,
osteosynthese
Keyword:
骨折
,
fracture
,
上腕骨頸部
,
humeral neck
,
螺線ピン
,
spiral pin
,
骨接合
,
osteosynthese
pp.883-891
発行日 1980年9月25日
Published Date 1980/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906202
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はじめに
上腕骨頸部骨折は比較的まれで,若年者には少なく,50歳を境として年齢の増加とともに頻度が高くなると言われている.Neerによれば上腕骨頸部骨折の80%は転位が少なく,保存的治療法により早期より運動ができるため肩関節の拘縮を残すことなく骨癒合が得られ,予後は良好である.
しかし骨折の転位が大きく保存的に整復ができなかつたり,骨折がunstableで整復位保持が困難な場合には観血的整復により内固定が必要となる.特に高齢者の場合では骨粗鬆症のため上腕骨骨頭の骨質,海綿質がもろくなつており,螺子,プレート,Rush pin,Zuggurtung法のような材質では整復位の保持が困難であり,必ずしも強固な固定を得ることができず,外固定を必要とすることが多い.従つて早期関節運動を行えず肩関節の拘縮を残すことが多い,私達はできるだけ小さな材質で,しかも大きな固定力を持つ螺線ピンを開発した.その特徴は骨折部を閉鎖的に(整復不能な場合は観血的に)整復し,螺線ピンを顆上部より髄腔を介し骨頭内に捻じ込み,骨折部を圧迫固定することにある.本法では術後より外固定の必要がなく早期に肩関節の運動を行うことができる.既に8例の上腕骨頸部骨折に本法を用い,すぐれた治療成績を修めたのでその術式,症例および力学的問題点を報告する.
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