Japanese
English
特集 脊椎・脊髄外科診断学の進歩(第14回日本脊椎外科研究会より)
転移性脊椎腫瘍のstage分類
Staging of Metastatic Spinal Tumor
山下 和夫
1
,
米延 策雄
1
,
冨士 武史
1
,
江原 宗平
1
,
藤原 桂樹
1
,
小野 啓郎
1
,
弥生 恵司
1
,
稲治 英生
2
Kazuo Yamashita
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
2大阪大学医学部第二外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Osaka University Medical School
キーワード:
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic spinal tumor
,
病期分類
,
staging
,
骨シンチグラフィー
,
bone scintigraphy
,
生命予後
,
prognosis
Keyword:
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic spinal tumor
,
病期分類
,
staging
,
骨シンチグラフィー
,
bone scintigraphy
,
生命予後
,
prognosis
pp.445-450
発行日 1986年4月25日
Published Date 1986/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907399
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抄録:骨転移の拡がりによる転移性脊椎腫瘍のstage分類はない.今回,我々は骨シンチグラフィーの異常集積のパターンにより,転移性脊椎腫瘍を次のようにstage分類した.early stage(stage I):脊椎のみ或は脊椎の他に肋骨に異常集積を認める.advanced stage(stage II):脊椎の他に骨盤,頭蓋,胸骨に異常集積を認める.advanced stage(stage III):脊椎の他に四肢骨,鎖骨,肩甲骨に異常集積を認める.
乳癌の脊椎転移患者45名を対象として,stageと脊椎転移診断より3年目の生存率(3年生存率)との関係を求め,次の結果を得た.1.脊椎転移診断時に肺,胸膜,肝,脳に転移のあった患者においては,stageの如何に係わらず3年生存率は低かった.2.脊椎転移診断時に肺,胸膜,肝,脳に転移のなかった患者においては,stage間で3年生存率に有意差を認めた.従って,我々のstage分類は,転移性脊椎腫瘍に対する外科的治療の適応決定において,有力な手掛りとなると考えられる.
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