Japanese
English
臨床経験
転移性脊椎腫瘍の治療成績とその外科的治療の適応
The Clinical Results of Metastatic Spinal Tumor and the Indication of Surgical Treatment
川上 守
1
,
玉置 哲也
1
,
浜崎 広洋
1
,
寺尾 覧秀
1
,
岩橋 俊幸
1
,
林 信宏
1
,
桜井 啓一
2
Mamoru Kawakami
1
1和歌山県立医科大学整形外科学教室
2済生会和歌山病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Wakayama Medical College
キーワード:
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic spinal tumor
,
治療成績
,
clinical results
,
手術適応
,
indications of surgical treatment
Keyword:
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic spinal tumor
,
治療成績
,
clinical results
,
手術適応
,
indications of surgical treatment
pp.1195-1200
発行日 1990年10月25日
Published Date 1990/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900208
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抄録:昭和61年8月以降の転移性脊椎腫瘍41例(保存療法27例,手術療法14例)の治療成績を,疼痛,神経症状,ADLについて検討した.保存療法例では,疼痛の改善が19例に認められたが,神経症状,ADLの改善はほとんど得られなかった.手術例(椎弓切除術のみ1例,instrumentation併用13例)は,術後1ヵ月では確実な除痛と神経症状,ADLの改善が得られていた.術後3ヵ月以内に実質臓器への転移が術前認められていた症例など,4例が死亡していた.術後3ヵ月目では脊椎以外の他の部位の疼痛が3例に出現し,また,椎弓切除術のみの1例とinstrumentation併用の3例に局所の疼痛が再燃し,神経症状の再発もみられたが,うち2例に追加手術を行い症状の寛解を得た.術後3ヵ月目では,術後1ヵ月のADLを10例中6例は維持可能であった.手術成績を長期間良好なものとするためには,集学的治療と手術適応を厳格にすることが必要であると考えられた.
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