Japanese
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シンポジウム 骨盤臼蓋の発育
発生学からみたヒト寛骨臼の発育について—先天股脱における前方欠損の発生メカニズム
Anthropobiological Examination of the Development of Human Hip Joint
綿貫 昭則
1
,
桜井 啓一
1
,
松崎 交作
1
,
岡安 勤
1
,
西田 仁丸
1
,
嶋 良宗
1
Akinori Watanuki
1
1和歌山県立医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Wakayama Medical College
キーワード:
発育
,
development
,
股関節
,
hip joint
,
寛骨臼
,
acetabulum
,
前方欠損
,
frontal inclination
,
先天股脱
,
CDH
Keyword:
発育
,
development
,
股関節
,
hip joint
,
寛骨臼
,
acetabulum
,
前方欠損
,
frontal inclination
,
先天股脱
,
CDH
pp.25-32
発行日 1986年1月25日
Published Date 1986/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907324
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抄録:ヒト成人の寛骨臼では,その臼縁が円形を呈するものは僅かで,真の球状の場合は意外に少ない.胎児から新生児における寛骨臼は,その臼縁は頭尾側方向に長い楕円形を呈し,月状軟骨面は背側のみが優位で腹側に向い大きく開いている.これは猿の寛骨臼に類似しており,直立二足歩行の中間位に下肢を保持すると,骨頭は外偏し臼蓋との間に不適合が生じてくる.学童期の寛骨臼でも,後方に比べ前方寛骨臼は貧弱で,Y軟骨部はT字形を呈している.これに比べヒト成人の寛骨臼縁は,より円形に近く恥骨上枝,腸恥隆起,腸骨の前下方部がよく発育し,直立二足歩行に際し骨頭を前方からよく包み保持している.つまり,ヒトとしての球型の安定股になるためには,前方臼蓋の後天的な発育が要求される.CDHなどの股関節に異常が生じた場合,この部の発育はとくに阻害され,臼の前方欠損としてあとに大きな問題をのこす.
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