視座
物を知らざる者,発見多し—松岡道治著,「人體畸形矯正学」を復刻して
島津 晃
1
1大阪市立大学・整形外科
pp.1203-1204
発行日 1984年11月25日
Published Date 1984/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907064
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子供の頃「松岡整形外科病院」が大阪・北浜の電車通りにあり,ギブス包帯を巻かれた子供が病院の近くを通っているのを見受け,松岡教授という京都大学の立派な先生が居られ,むつかしい病気の人が行く病院だと商売人であった私の親から聞きました.そして,学生時代の外科総論の講義のとき,京阪神の整形外科のルーツは松岡道治先生だと教えられました.
さて,3年前に,「先天性内反足の歴史」の原稿依頼があり,同じ書くなら日本の歴史をと,古書をしらべ,華岡青洲とその門下生によって,内反足に対する矯正包帯・手術が行われていたのには驚きました.同時に松岡先生が明治43年に「人体畸形矯正学」を出版されているのを知り,実物を探し,京都大学の細菌学教室の図書室の一隅に見付けることができました(整形外科 Mook,17,1〜10).
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