Japanese
English
論述
悪性線維性組織球腫22例の臨床病理学的検討
Clinicopathological Study on 22 Cases of Malignant Fibrous Histiocytoma
松本 誠一
1
,
川口 智義
1
,
網野 勝久
1
,
磯辺 靖
1
,
真鍋 淳
1
,
北川 知行
2
,
古屋 光太郎
3
,
和田 成仁
3
Seiichi Matsumoto
1
1癌研究会附属病院整形外科
2癌研究会附属病院病理部
3東京医科歯科大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Cancer Institute Hospital
キーワード:
malignant fibrous histiocytoma
,
diagnosis
,
treatment
,
prognosis
Keyword:
malignant fibrous histiocytoma
,
diagnosis
,
treatment
,
prognosis
pp.520-532
発行日 1984年5月25日
Published Date 1984/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906963
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
悪性線維性組織球腫(以下MFHと略す)に関する報告は近年多数みられるが,それらのほとんどが病理組織学的な面からのものであり,臨床学的な面から本症に触れた報告は少ない.我々は最近経験した本症をもとに,臨床診断上の問題点ならびに治療成績について報告する.
症例は我々が1982年9月以前に治療を開始し,8ヵ月以上経過を観察し得た22例である(表1).内訳は軟部MFH 20例,骨MFH 2例である.軟部MFHの初発部位は図1のごとくであり,4例のpostradiation sarcomaが含まれている.このうちpostradiation sarcomaの2例および前腕部発生例は,当科初診時,多発転移あるいは巨大な腫瘍のため,根治術は不可能であった.骨MFHの発生部位は,上腕骨遠位および大腿骨遠位であった.当科初診時の年齢は24〜77歳,平均56歳であった.最年少の24歳の症例は,postradiation sarcoma例であった。症状発現から当科初診までの期間は2ヵ月から6年,22例中8例が1〜3回の再発例であった.軟部MFHの主訴のほとんどは,無痛性の腫瘤形成であったが,2例で腫瘤ははっきりせず,それぞれ大腿部の腫脹と局所の炎症所見が主訴であった.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.