視座
同種骨移植の立法運動
山本 真
1
1北里大学整形外科
pp.215
発行日 1984年3月25日
Published Date 1984/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906907
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同種骨移植は臨床上すでによく用いられているが合法ではない.どこが法律に違反するかといえば返還できないからだそうである.よく外科医が早期癌の切除胃の標本を棚に並べているのをみるが,あれはもし本人や家族の要求があれば返さなければならない.移植されたものは返せない.そこが現在の法律に違反することになる.だから角膜,腎の同種移植はそれぞれの法律を制定することに成功した.当然同種骨移植の法律もつくって晴れて合法化してもらいたいものである.
もちろん現在同種骨移植を行っても有罪になることはない.一般社会の常識がすでにこの違法を越えてしまっているからである.しかし法律は社会に追いついて制定されていかねばならない.そしてそれは黙っていても立法化されるわけではなく,やはりそれなりの運動が必要なのである.
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