Japanese
English
臨床経験
項部に発生し,被膜内に骨化を認めた傍骨性脂肪腫の1例
A Case of Parosteal Lipoma in the Nape of Neck with Ossification in the Capsule
橋間 誠
1
,
宗円 聡
1
,
熊野 文雄
1
,
濱西 千秋
1
,
田中 清介
1
,
細川 宏一
2
,
橋本 重夫
2
Makoto Hashima
1
1近畿大学医学部整形外科
2近畿大学医学部第2病理
1Department of Orthopaedic Surgery, Kinki University School of Medicine
キーワード:
傍骨性脂肪腫
,
parosteal lipoma
,
脂肪腫
,
lipoma
,
石灰化腫瘍
,
calcifying tumor
,
間葉腫
,
mesenchymoma
Keyword:
傍骨性脂肪腫
,
parosteal lipoma
,
脂肪腫
,
lipoma
,
石灰化腫瘍
,
calcifying tumor
,
間葉腫
,
mesenchymoma
pp.1371-1373
発行日 1992年12月25日
Published Date 1992/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901003
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抄録:42歳,女性,主訴,左項部の腫瘤,平成3年5月頃より左項部隆起を自覚した.入院時所見は項部に大きさ7×8cm,表面平滑で,色素沈着や発赤,静脈怒張のない隆起を認め,腫瘤は,緊満弾性,表面平滑,境界明瞭,可動性良好で,波動,局所熱感,圧痛は認められなかった.CT,MRIにて第1~第4頸椎にかけ,棘突起及び椎弓に接して,被膜内に石灰化を伴う脂肪性の腫瘍陰影が認められた.全摘出術施行後,組織学的に成熟した脂肪組織の増殖と,被膜内と一部腫瘍内に軟骨及び骨組織が観察され,骨との密接な関係より,傍骨性脂肪腫と診断した.被膜内骨化の原因としては,項靱帯,棘間靱帯が被膜化して骨化した可能性,あるいはこれが脂肪腫でなく,骨,軟骨組織の混在する間葉腫である可能性等も考えられた.
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