マスターしよう基本操作
透析・濃縮
大島 寿美子
1
1日大板橋病院中検
pp.381-384
発行日 1977年5月1日
Published Date 1977/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201360
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髄液や尿などタンパク濃度の低い試料の電気泳動やカラムクロマトグラフィーなどを行うには,血清総タンパク量に近い程度になるまで濃縮する必要がある.現在,濃縮方法として,(1)透析濃縮法,(2)限外濾が過法,(3)凍結乾燥法などが主として実施されている.そのうち凍結乾燥法は高価な装置が必要であり,かなりの時間がかかるなど日常検査にはあまり利用されない.
透析濃縮法は透析用セロファンチューブに試料を入れ,透析液中に放置するだけで簡単に試料を濃縮することができるため,現在最も広く応用されている.また限外濾過法はニトロセルロースを用いたコロジオン膜やミリポア膜,ポリサルホンの分子節膜を濃縮膜として用いる方法であり,これらの膜を保持器に取り付け,加圧または減圧することにより濃縮するものである.本法では適当なボアサイズの濃縮膜を用いることにより,目的物質を能率よく分別・濃縮することができる.
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