特集 上位頸椎部の諸問題
総括
I.基礎,X線診断の部
酒匂 崇
1
Takashi SAKO
1
1鹿児島大学医学部整形外科学教室
pp.369-370
発行日 1983年4月25日
Published Date 1983/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906723
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このセクションでは,X線或はCTを用い環軸椎部の機能的或は形態的研究が発表された.
先ず若野紘一氏は25歳より41歳までの成年男子の新鮮屍体より頸椎標本をmotion segmentとして取出し,環軸椎部の荷重時の軸,前後左右方向への変位をストレインゲージを用いload-deformationを測定している.変位の程度をstiffness valueとして表わしており,上位頭椎では靱帯や関節包の制動作用が大で,stiffness値は小で,当部に大きな可動域を有する事実を裏付けている.また,成犬を用いて横靱帯と翼状靱帯を切離し上位頸椎のinstabilityをX線的観察を行っている.翼状靱帯切離より脱臼の程度は一気に大となる事を観察している.
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