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足の問題,特に先天性内反足におけるX線の評価方法は種々論議されている.通常足のX線は足2方向撮影,すなわち足の背蹠および側方向によるのが一般的である.しかしこの2方向撮影でも人により照射方向や足の位置が異なったり,写し出されたX線フィルムでも足根骨の配列の測定方法もまちまちである.側方向撮影ではWisbrum,Heywood7),Beatson2)等のtalocalcaneal angleの測定が一般的であり,我々もBeatsonの方法を採用してきている.しかしPonseti14)は踵骨と第1中足骨とのなす角を求めている.さらにtibiocalcaneal angleを測定する方法もある.このように足2方向撮影でも測定方法が異なるばかりでなく,この方法だけで足の障害程度を一概に言いきれず臨床症状と合致しないことが多い.また先天性内反足では前足部の内転変形も問題にされ,足の前後像で,以下のごとく角度を設定している.すなわちthe angle between the axis of the calcaneus and that of the metatarsal(Ponseti14),1963),naviculometatarsal angle(Lowe12),1973),TN角およびMN角(高倉16),1974),MTR角(熊谷10),1976)およびTMT angle(Simons15),1977)である.さらには藤井5)や亀下9)等が行っている関節造影の検索もなされている.もう1つとして主に後足部をみる撮影方法がある.Kandel8)が1952年suroplantar projectionを発表し,1961年Kleiger11)はposterior tangential viewでsubtalar jointを写し出し,1974年Ono13)等はfrontal tomographyでtorsional deformity around the long axis of the footを検討している.これら後足部撮影の方法も一長一短あり,我々はこれらのどの方法をもルーチンには採用してこなかった.1976年Cobey3)はposterior roentgenogram of the footを発表した.この方法は簡単な撮影台だけ作れぽ容易に撮影でぎそうで,足に関する情報も多く,これまでの後足部撮影の欠点も補えるものと思い,我々はこの撮影方法を採用し先天性内反足の症例の成績と合わせ検討を加えた.
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