Japanese
English
論述
過去20年間の骨肉腫の治療成績
Osteosarcoma. A Review of Fifty-six Cases Treated at the Kyoto University Hospital between 1960 and 1979
藤原 祐三
1
,
山室 隆夫
1
,
石井 正治
1
,
大辻 孝昭
1
Yuzo FUJIWARA
1
1京都大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, Kyoto University
キーワード:
骨肉腫
,
osteosarcoma
,
追跡調査
,
follow-up study
Keyword:
骨肉腫
,
osteosarcoma
,
追跡調査
,
follow-up study
pp.563-568
発行日 1981年6月25日
Published Date 1981/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906369
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はじめに
骨肉腫症例に対する治療成績は近年著しく向上し,5年累積生存率が50%をこえる報告12,14,21,24)もみられるようになつた.1960年代終り頃導入されたAdriamycin,1970年代初期のhigh-dose MTX-citrovorum factor rescue13)などの化学療法剤の使用およびその投与法の進歩のほか,術中照射など高エネルギー放射線の応用4,23,27)や肺転移に対する積極的な治療など,種々の方法がとりいれられた結果であると思われる.われわれも,従来行つてきた患肢の切・離断術を主とし,EndoxanまたはMitomycin Cの局所動脈内注入を行うという治療法から一歩を進め,Adriamycinの局所動脈内注入,MTX大量投与,β-tron術中照射,非特異的免疫療法のほか,肺転移に対しても積極的に手術療法を行いつつあるが,このようないわゆるmultimodalな治療法を行うに至るまでの治療成績をまとめておくことは,意義のあることと思われる.
そこで,今回,京都大学医学部附属病院整形外科に入院し治療をうけた過去20年間の骨肉腫患者を追跡調査した.以下にその調査成績を報告する.
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