症例検討会 骨・軟部腫瘍23例
症例19—坐骨神経に発生したmalignant nerve sheath tumor
多田 豊曠
1
,
岸本 英正
1
,
杉浦 勲
2
,
山田 順亮
3
,
中村 隆昭
4
1名古屋市立大学医学部第2病理
2名古屋大学医学部整形外科
3常滑市民病院整形外科
4名古屋市立大学病院中検病理
pp.518-520
発行日 1981年5月25日
Published Date 1981/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906358
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患者:43歳,男.初診の一年前より発症した右大腿から足背にかけての知覚障害を主訴に来院.同側下腿への放散痛を伴うが運動麻痺はない.Café-au-lait spotなどの皮膚の異常色素沈着や結節の形成は認められずRecklinghausen's diseaseを疑わせる所見は無い.手術により右大腿近位部の坐骨神経幹に鶏卵大・弾性硬・充実性の腫瘤を認め塊状摘出した.骨格筋や骨への浸潤は認めないが,周辺の脂肪組織へは軽度の浸潤を示す,
肉眼的所見:腫瘤は坐骨神経幹に一致して存在し,既存の神経線維束は圧排あるいは部分的断裂を示す.割面は淡黄白色充実性.第19-1図は健常な坐骨神経幹から腫瘤への移行を示し,本腫瘤は坐骨神経幹内に発生したものであると考えられる.
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