症例検討会 骨・軟部腫瘍23例
症例18—右下腿軟部腫瘍(Extraskeletal osteosarcoma)
森本 兼人
1
,
稲田 治
1
,
古瀬 清夫
1
,
前山 巌
1
,
明穂 政裕
2
,
湯本 東吉
2
1鳥取大学整形外科
2鳥取大学第一病理
pp.516-518
発行日 1981年5月25日
Published Date 1981/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906357
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症例は75歳女性.昭和54年2月転倒し右下腿の疼痛をきたした,同年3月右下腿の腫脹に気づき某整形外科受診.エックス線像所見(第18-1図a)および血液検査所見に異常なく,保存的療法をうけた.同年4月肺炎にて治療をうけ軽快した.同年5月右下腿に鶏卵大の腫瘤を触知し,エックス線像で右腓骨骨幹部に骨破壊像を認め,生検にて肉腫と診断されたが,生検後腫瘤が増大し,同年6月本学整形外科に紹介され入院した.入院時エックス線像(第18-1図b).腓骨骨幹部は破壊され腓骨全体に骨膜反応像を認め,鵞卵大の軟部腫瘤陰影が存在した.入院後再び肺炎症状悪化し,全身状態不良となり同年8月1日死亡した.
剖検にて右下腿軟部に20×11×5.5cmの腫瘍を認め一部腓骨に浸潤していた.割面は黄白色充実性で,中心は赤褐色で出血壊死を伴つている(第18-2図).なお遠隔転移は認められず,肺炎のため呼吸不全で死亡した.
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