症例検討会 骨・軟部腫瘍13例
〔症例1〕左季肋部腫瘍
藤内 守
1
,
井形 高明
1
,
西川 洋三
1
,
長田 大助
1
,
森田 哲生
1
,
青山 茂樹
1
,
広瀬 隆則
2
,
檜沢 一夫
2
1徳島大学医学部整形外科
2徳島大学医学部第1病理
pp.241-243
発行日 1984年3月25日
Published Date 1984/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906911
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現病歴:61歳,女性.昭和56年10月31日,左季肋部腫瘤に気づき,当科を受診,入院した.腫瘍は10×10cm,非常に硬く,左第8,9肋骨と強く癒着していた.初診時のX-Pでは肋骨の破壊はみられなかったが,CTでは肋骨の表層には破壊がみられた.昭和57年1月22日,周囲肋骨を含めて腫瘍の全摘出術を行ったが,その後急速に,胸骨,肋骨,両肺,皮下に多数の転移巣が出現,増大した.昭和57年11月29日,胸壁,肺転移巣の摘出を行なったが,病巣はすでに広く昭和58年5月23日死亡した.
肉眼所見:原発腫瘍は7×7×4.5cm,黄白色,充実性,弾性硬,境界明瞭で,左第8,9肋骨をとりこんで,外側は大胸筋,内側は内肋間筋を圧迫し,砂時計腫様を呈していた.
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