Japanese
English
臨床経験
Membranous lipodystrophyの1例
A case of membranous lipodystrophy
荻野 幹夫
1
,
蜂須賀 彬夫
1
,
古谷 誠
1
,
浅井 春雄
1
,
村瀬 孝雄
1
,
小坂 正
1
,
小杉 雅弘
1
Mikio OGINO
1
1国立病院医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hospital National Medical Center
pp.711-713
発行日 1979年7月25日
Published Date 1979/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905956
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はじめに
1971年那須等によつて第1例が報告されたmembranous lipodystrophyは,他に類をみない点の多い疾患である.既に数十例の報告がある1,5,8)と思われ,疾患単位として確立されたものと考えられるが,病理機序には不明な点が多い.現在までの知見を要約すれば,本症には遺伝性があり,成人期以後に発見され,初期症状は多発性ほぼ対称性にみられる骨病変と病的骨折で,緩徐に進行し,末期には中枢神経症状を来たして死亡する.病理組織学的には,骨髄を含む全身の脂肪組織に膜様構造物が出現し,正常組織を置換し,中枢神経系には,白質のsudanophilic変性がみられる.臨床検査上の異常はなく,根治的治療法は未だない.本文の目的は,本症の姉妹例を報告し,検討を加える事である.
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