Japanese
English
論述
整形外科におけるmicrodissection techniqueの応用
Usefulness of microdissection technique in the field of orthopedic surgery
清水 豊信
1
,
玉井 進
1
,
保利 喜英
1
,
龍見 良隆
1
,
坂本 博志
1
,
梅垣 修三
2
,
広岡 靖隆
2
Toyonobu SHIMIZU
1
1奈良県立医科大学整形外科学教室
2東大阪市立中央病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Nara Medical University
pp.560-567
発行日 1979年6月25日
Published Date 1979/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905933
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はじめに
Microsurgeryの歴史は古く,1922年Nylen & Holmgren1)が耳硬化症の手術に双眼顕微鏡を使用したのが最初とされており主として耳鼻科,眼科領域に応用されてきた.しかし整形外科においてmicroscopeが使われ始めたのは,1960年Jacobson & Suarez2)がmicrovascular anastomosisの手技を紹介してからのことであり,主として切断肢・指再接着術に応用された.1962年Kleinert & Kasdan3)が不完全切断母指の再接着にはじめてmicrovascular anastomosisを応用し,1965年小松,玉井4)が完全切断母指の再接着に成功して以来,世界各国で数多くの成功例が報告されており,さらに皮弁,骨,筋肉など各種複合組織の移植に広く応用されるようになつた.
一方,脊髄外科の分野でも1954年Greenwood5)によりはじめてbipolar coagulatorが応用され6例の髄内腫瘍の摘出がおこなわれたのを契機として手術の微小化が進み,1963年Kurze6)により拡大鏡をもちいた脊髄のmicrosurgeryの試みがなされた.その後Yasargil7),Rand8),辻9)らにより近年の本格的な手術手技がほぼ確立されるに至つている.
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